デザインというと、デザイナーという職業をまず思いうかべるでしょう。建築デザイン、グラフィックデザイン、カーデザイン、テキスタイルデザイン、など様々な分野で職業としてのデザイナーが活躍しています。しかしデザインは職業デザイナーだけでなく、日々の生活の中にも存在するものです。よろずこばは生活の中にデザインを取り入れる事を提唱しています。人が生活してゆく上では仕事、家庭、遊び、友人、親戚、など様々な状況に出会いますが、その中で自分自身の一貫した主題を持つ事です。そのためには人や物や事柄にたいして、自分自身の価値観や美意識の基準を定めなければなりません。
価値観・美意識というと難しそうですが、もともと誰でもが持っており、それを意識するかどうかだけです。たとえば好きな食べ物、好きな車の種類、好きな俳優、好きな友人、など人それぞれに好みがあると思います。それらの好みはその人の価値観・美意識の素となるものです。でも、中には「おれには好みなんかない、何でも食べるし、車は走ればいい」と主張する人もいるかもしれません、が、それこそがその人の価値観であり美意識なのです。正月には初詣なんか行かないぞ、家で酒を飲んでゴロゴロしてるだけだ、というのも一つの価値観でしょうし、休日には必ず家族揃ってどこかへ遊びにゆく、というのも一つの価値観です。
それなら誰でも価値観や美意識は持っている事になる訳ですが、その好みや嗜好の素となっている要素を意識して、軸となっているものを自分自身で掘り起こさなくてはなりません。親から受け継いだ性格や考え方、成長する課程で影響を受けた人物、などがあなたの価値観の素になっていると思われます、それらの要素を強く意識して整理する事です。
その価値観や美意識を強く意識し、自分自身の軸を決める事により、困難に出くわした時や、急な出来事に対処する方法を迷わなくてすみます。また日々関わる人々に対して、爽やかな印象と影響を与えることになります。これこそが人間が生きてゆく上での最上の幸せではないでしょうか。
ちなみに僕の価値観・美意識は「風林火山」を理想としています。孫子の兵法の中の一説で武田信玄が旗に用いた事で日本人に知れ渡りました。　兵は詐をもって立ち、利をもって動き、分合をもって変をなすなり、　（・疾きこと風のごとく・しずかなること林のごとく・侵掠すること火のごとく・動かざること山のごとく）　知りがたきこと陰のごとく、動くことは雷の震うがごとく、郷を掠むるには衆を分ち、地を廊むるには利を分ち、権をかけて動く、先ず迂直の計を知る者は勝つ、　これ軍争の法なりと言われています。なお好きな人物は、終生人を殺める事なく、明治維新を推し進めた坂本龍馬です。